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マルタでロッククライミング、ベストシーズンはいつ?夏の暑さをかわす登り方まで

マルタでロッククライミングをするなら10〜12月がベスト。シーズン全体は10〜5月です。夏はディープウォーターソロや日陰の岩場で。在住者が月別に、渡航のコツまで解説します。

文:Ken(セントポールズベイ在住)公開日: 2026年8月31日

チェックリストカード:マルタでロッククライミングをするベストな月と、夏に登れる場所。

マルタへのクライミング旅行を計画中なら、答えは先にお伝えします。ベストは10月から12月、シーズン全体は10月から5月です。夏がまったくダメというわけではありませんが、6〜9月は日なたの石灰岩が焼けるように暑くなります。ですから夏は日陰や海風のある岩場を選ぶか、ロープを使わず海の上を登るディープウォーターソロに切り替えます。この記事では、在住者の視点で本当のシーズンを月別に、なぜ秋がいいのか、誰も言わない落とし穴、そして暑くなってからどこで登るかまで整理します。

要点(2026年現在)

  • ベストの月 — 10月上旬〜12月。岩は暖かく、夏の暑さは引き、日も1本しっかり登れる長さ。
  • シーズン全体 — 10月〜5月なら登れる。春は秋の静かな双子。
  • 落とし穴 — 秋は雨も増える。雨の日はおよそ10月6日、11月9日、12月10日で、1月のピークへ向かう。[VERIFY]
  • 夏(6〜9月) — 日陰と海風の岩場だけ。8月のヴァレッタは平均最高32℃、暑い日は34℃。
  • プランB — ディープウォーターソロ(ロープなしで海の上を登る)。海は8月でも26.5℃で夏中いける。

日本から行く前に:フライトとトポと道具

日本からマルタへの直行便はありません。ロンドンやフランクフルト、ローマといったヨーロッパの都市で乗り継ぐのが現実的で、移動はまる一日がかりと見ておきましょう。言葉の心配はいりません。マルタの岩場のトポ(ルート図)やボルト(支点)の整備は英語圏の基準で、英語のガイドブックが標準です。日本語のガイドはありませんが、英語のトポで問題なく登れます。道具も、ラック(クライミング用具一式)を背負って飛行機に乗る必要はありません。現地でロープやハーネス、クラッシュパッドまで一式レンタルできます。

まず結論:10月〜5月、ベストは秋

マルタは、海沿いや内陸の石灰岩にあるスポートルートを登りに行く場所です。快適に登れるのは10月から5月。なかでも、地元のガイドブック著者やクライミング系メディアが口をそろえるのが、10月上旬から12月です。夏の厳しい暑さが引き、岩は暖かいけれど焼けるほどではなく、日も1本しっかり登れる長さがあります。1か月だけ選ぶなら、10月です。

季節ごとの島の楽しみ方は、9月〜11月のベストシーズンの記事もどうぞ。同じ端境期の考え方を、いろいろなアクティビティで紹介しています。

秋がいい理由:暖かい岩と、引いた暑さ

秋は3つの条件がそろいます。まず気温。真夏の猛暑は下がる一方、岩は夏のあいだに熱を蓄えています。だから冷たい冬の岩より、指もクライミングシューズもよく効きます。これをフリクション(摩擦)と呼び、暑すぎない暖かな石灰岩がいちばん稼げます。次に岩のコンディション。乾いた夏のあとで岩場は乾いて締まり、冬の雨で海沿いのルートがぬめる前です。そして日の長さ。10月ならアプローチして、ウォームアップして、1日分のルートを日没に追われずこなせます。

ジムより本物の岩、と決まっているなら、定番の第一歩はズッリークのウィード・バブーのヴィア・フェラータとスポートルートです。秋の暑さがゆるむと本領を発揮します。

誰も言わない落とし穴:秋は雨も増える

一言の「ベストは秋」が省いている部分がここです。クライマーが好む秋の同じ時期は、マルタに雨が戻る時期でもあります。[VERIFY] 雨の日はじわじわ増え、ざっくり10月で6日、11月で9日、12月で10日。1月のピークへ向かいます。これでシーズンが台無しになるわけではありません。秋の多くの日は乾いて暖かいままです。ただ「良い」月でも予報は確認を。予備日を1〜2日みておき、屋内か海沿いの代替案を用意しておきましょう。降られる可能性は10月より12月の方がずっと高いので、雨で旅が台無しになるのが困るなら、早めの時期を狙ってください。

冬と春:静かで、それでも良い季節

12月で登り納め、ではありません。1月と2月は一番雨が多い月ですが、マルタの冬は温暖で、乾いた晴れ間もたっぷり。天気に合わせて日を選べば、岩は問題なく登れて、岩場はほぼ独り占めです。そして3〜5月ごろの春は、秋の静かな双子。暑さはまた上がってきますが、まだ厳しくなく、雨も引いていき、コンディションは上々です。秋の良い岩を、増える雨なしで味わいたいなら、春の予約の方が賢いかもしれません。

7〜8月でも登れる?やり方しだいで、登れます

登れます。ただし暑さがない前提ではなく、暑さを避ける計画を立てます。8月の日なたの岩は本当に過酷で、ヴァレッタの平均最高は32℃、暑い日は34℃、直射日光の当たる南向きの石灰岩の壁はさらに上です。日本の夏を思い出すかもしれませんが、マルタは暑くても湿度は低め。日陰に入れば、あのまとわりつく蒸し暑さはありません。それでも真昼に登れば焼かれます。夏の作戦はシンプルです。朝早くか夕方に登る、直射日光を避ける、海風を追う。これができれば、7〜8月でも登れます。10月に来る人とは、やり方を変えるだけです。

同じ暑さ対策は夏のあらゆるスポーツに共通します。早朝スタートと日陰の話は、マルタでトレイルランニングの記事でも同じことを書いています。

夏向きの、日陰と海風の岩場

岩場(クラッグ)とは、クライマーが使う岩壁のことです。夏でも使えるのは、日中の多くを日陰で過ごし、海からの風に開けた岩場。いちばん有名なのがSmoothie’s Cave(スムージーズ・ケーブ)で、まさにこの理由で夏中人気です。たっぷりの日陰と、海からの涼しい風があります。こうした洞窟やハングした岩場は日差しを遮り、あとは風がやってくれます。それでも屋外の暑さが勝つなら、屋内という手も。冷房の効いたボルダリングジムのマットの壁は、8月のマルタでいちばん涼しいクライミングです。

ディープウォーターソロ:夏の切り札

マルタの夏の本当の答えが、ディープウォーターソロ(DWS)です。ロープを使わず海の岩壁を登り、下にはクラッシュパッドの代わりに深い海。落ちても海に飛び込むだけです。夏のクライミング旅行がそれでも成立するのは、これがあるから。マルタのクライミングクラブは、島じゅうに約15か所のDWS・シートラバース(海面沿いのトラバース)の場所をまとめています。Għar Ħasan、Wied Żnuber、Red Wall、Għar Lapsi、コミノ島のLantern Point、ゴゾ島のMġarr ix-Xiniなど。海は真夏を過ぎてもずっと暖かく泳げます。8月で約26.5℃、10月でも24℃。だからDWSのシーズンは6月から秋まで気持ちよく続きます。

DWSのルートは、落ちたときの安全度でグレードがつきます。S0(着水がきれいで深い)から、S3(ロープなしのソロと思うべき。落ち方が悪いとケガをする)まで。初心者はS0とS1の場所にとどめ、必ずその場所を知っている人と行きましょう。詳しいディープウォーターソロ・ガイドに、場所・グレード・安全のことをまとめています。夏のプランBとしてブックマークを。日差しが一番きつい時間は地面の近くで低く登りたい、という人には、マルタとゴゾのボルダリングも、ロープなしで登り続けるもう一つの手です。

月別ひとめ表

  • 10月 — 一年の狙い目。暖かい岩、暑さは去り、雨もまだ本格化せず。
  • 11〜12月 — まだ絶好調。ただし雨支度を。予報は要確認。
  • 1〜2月 — 最も雨が多い月。それでも乾いた穏やかな日は多く、岩場は空いている。
  • 3〜5月 — 春。秋の静かな双子。暖かくなり、乾いていく。とても良い。
  • 6〜9月 — 暑さ本番。日陰と海風の岩場で早朝に、またはDWSへ。

よくある質問

マルタの夏はクライミングには暑すぎますか?

やり方しだいです。真昼の直射日光が当たる南向きの石灰岩は、正直暑すぎます。8月の最高気温は平均32℃、34℃に達する日もあります。ですが、Smoothie's Caveのような海風を受ける日陰の岩場は使えますし、海の上のディープウォーターソロなら6〜9月も登り続けられます。コツは、朝早くか夕方に登り、直射日光を避け、風を追うことです。

マルタでロッククライミングのベストな月は?

10月です。地元のガイドブック著者やクライミングメディアは、10月上旬から12月を最適な時期に挙げ、なかでも10月が筆頭です。夏の暑さは引き、石灰岩はよく効くほどよい暖かさ、日もまだ長く、冬の本格的な雨もまだ来ていません。11月と12月も十分良いですが、1月に近づくほど雨の日に当たる確率は上がります。

初心者でもマルタでディープウォーターソロできますか?

できますが、慎重に。DWSの場所は、着水がきれいで深いS0から、ロープなしのソロと思うべきS3までグレードがあります。初心者はS0とS1にとどめ、その場所を知っている人と行き、水深や出入りの場所を先に確認しましょう。きちんと始めれば、マルタの夏でいちばん楽しい登り方のひとつです。

「ベスト」の10〜12月は雨も覚悟ですか?

多少は、そしてシーズンが進むほど増えます。[VERIFY] 雨の日は10月から12月にかけておよそ倍になり、1月のピークへ向かいます。ざっくり6日、9日、10日ほど。それでも多くの日は乾いて暖かく、一年で一番良い時期であることは変わりません。ただ、この時期でも予報は確認し、予定に余裕を持たせ、海沿いか屋内の代替案を用意しておきましょう。